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ピカソのキュビズム(立体主義)

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  ぼくはいつでも似ているように心がけている。
  画家は自然を観察しなければならないが、
  決して自然を絵と混同してはならない。
  ものの見かけの形と色をこえて深いところで似るということだ。

  パブロ・ピカソ
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 「剽窃」とは「盗作」と誤解を受けかねない言葉だが、ピカソの作品はまさに剽窃の極みにあったといえる。ピカソにおける剽窃とは、真似る、盗むという力を最大限に発揮すること。言い方を変えれば、他人の作品を恰好の踏み台にして、思う存分相手をしゃぶりつくしながら、結果的にはまったく独自なピカソの世界を作りあげてしまうのである。ピカソは美術史の中では印象派の後にきている。印象派とは形にとらわれず光の戯れを表現様式にしようとしたが、その後期に現れたセザンヌは形の存在感をもう一度取り戻そうとする絵画の技法を求めていった。ピカソはそうしたセザンヌを尊敬し、立体感のあるものをつくっていこうとした。ピカソが提示したのは、二次元の絵に三次元を表現してしまおうという試みで、いくつかの視点から見たものをすべて一つの絵の中に入れ込んでしまうという技法だ。すると、絵としては変だが、立体感は出るというピカソの奇妙な作品となる。


〈名言211〉

参考/『天才の読み方』齋藤孝(大和書房)

by siva1199 | 2012-03-18 10:24 | 名言365


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