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座右の書をもつことの効用

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  私は他人が掛物とか屏風とかその他の書画骨董に金を出すと同様に、
  慈善事業に金を費やす事を道楽と思うて居る位である。


  渋沢栄一

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渋沢栄一といえば「論語と算盤」。清貧を尊ぶ儒教の思想は、お金儲けとは対極に位置するように見える。『論語』で倫理を学ぶことがビジネスの役に立つのか、という疑問が湧いてくるが、渋沢は「商才も論語に置いて十分に養える」と言っており、それを実践しているのである。今では、経済とはエコノミーという意味で使われているが、もともとは「経世済民」、つまり「世を経(おさ)め、民を済(すく)う」というのが語源である。渋沢にとって商売は私利私欲を満たすためではなく、国を豊かにして社会に貢献するための手段に過ぎなかった。このように慈善事業を孔子の教えになぞらえて解釈できるのも、『論語』を自分の血となり肉となるレベルまで読み込んでいたからだ。実は座右の書を持つことは、仕事をするうえでも直接的に役立つ。しっかりとした判断基準ができれば、あとはそれに照らし合わせるだけでよくなる。的確かつスピーディに判断が下せるようになるのだ。


名言の宝箱5

参考/『凡人が一流になるルール』齋藤孝(PHP新書)

by siva1199 | 2012-10-11 11:06 | 名言の宝箱


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