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ピカソのキュビズム(立体主義)

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  ぼくはいつでも似ているように心がけている。
  画家は自然を観察しなければならないが、
  決して自然を絵と混同してはならない。
  ものの見かけの形と色をこえて深いところで似るということだ。

  パブロ・ピカソ
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 「剽窃」とは「盗作」と誤解を受けかねない言葉だが、ピカソの作品はまさに剽窃の極みにあったといえる。ピカソにおける剽窃とは、真似る、盗むという力を最大限に発揮すること。言い方を変えれば、他人の作品を恰好の踏み台にして、思う存分相手をしゃぶりつくしながら、結果的にはまったく独自なピカソの世界を作りあげてしまうのである。ピカソは美術史の中では印象派の後にきている。印象派とは形にとらわれず光の戯れを表現様式にしようとしたが、その後期に現れたセザンヌは形の存在感をもう一度取り戻そうとする絵画の技法を求めていった。ピカソはそうしたセザンヌを尊敬し、立体感のあるものをつくっていこうとした。ピカソが提示したのは、二次元の絵に三次元を表現してしまおうという試みで、いくつかの視点から見たものをすべて一つの絵の中に入れ込んでしまうという技法だ。すると、絵としては変だが、立体感は出るというピカソの奇妙な作品となる。


〈名言211〉

参考/『天才の読み方』齋藤孝(大和書房)

# by siva1199 | 2012-03-18 10:24 | 名言365

身体センサーの機能性を試してみる

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  ぼくらの社会は、無理をするな、ストレスを過剰にするな、
  穏かに、家庭的に、円満に生きろと言われていますよね。
  だけど、無理をして自分の持っている能力が、
  普段より120%発揮できるような瞬間をもたないと、
  たいした仕事ができないんです。

  宮崎駿
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 病気の原因はストレスにある、ということは常識になりつつある。ストレスは悪であるから、それを排除しなければならい、そうすることが病気から身をまもる最善の方法であるかのように言われつづけている。だが、病気にしろストレスにしろ、これをセンサーと捉えたなら、こんなに感度のいい機能はない。もし、過度の疲労をともなう環境で心身ともに限界がきているのに、何の症状も起こらなければ、身体はオーバーヒートしたエンジンのように突然停止するだろう。だが病気やストレスはそうなる前の心身に無理を伝えるセンサーのようなものだ。人間は何度か自分の限界というものを試しておく必要がある。自分のセンサーがどの程度でどんな反応をするか、その機能性を知っておくためだ。どれくらい無理をしたときにどんな状態に陥るのか、どこまで無理がきくのかを試してみる。限界を知っている人は、人間の振り幅も大きくなって、良い意味での無理がきくようになる。


〈名言210〉



# by siva1199 | 2012-03-17 14:41 | 名言365

自然を尊ぶ表現の美しさ

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  雲や嵐がなければ、いかなる虹もありえない。

  J・H・ヴィンセント
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 江戸時代に陽明学の大家といわれた熊沢蕃山がこんな歌を残している。「雲のかかるは月のため 風の散らすは花のため 雲と風とのありてこそ 月と花とは尊とけれ」。人間には「尊い」とか「敬する」とかいう、他の生きものにはない感情を持ち合わせている。これあってこそ人間が人間たるゆえんなのだ。蕃山は自然の現象の中にもその尊さを見出し、芸術的に表現したところに東洋人ならではの風流がある。雲がかかる月を「雲遮月」といい、薄雲を隔てて、ほのかに月の光が漏れる姿を言う。女性の姿も開けっぴろげに見せられるよりも見えそうで見えないしぐさがエロティックだ。また、もうすぐ花見の季節だが、咲き切った桜の花が風に散る姿は美しく、みずからの人生を映し合わせてそのはかなさを感じるのも味わい深いものだ。「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」─人生はいつ中断するかわからない。だからこそ、そのときそのときを生き切りたい。


〈名言209〉



# by siva1199 | 2012-03-17 14:09 | 名言365

どんなことも真似るのが基本

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  うまくいっている人の真似をしてごらん、
  それだけで人生はうまくいくから。

  斎藤一人
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 幼い頃から誰に教えられたわけでもなく、そのことがすらすらできる天才は別として、たいていの人は段階を踏みながらスキルを高めてそのことができるようになる。できないということは、やり方を知らないのだ、というのが正しい表現だろう。先日、建築家の安藤忠雄がテレビ出演していた。建築のことは学校で学ばず、ほとんど独学で身につけたという。ただ、学校で学ばなかったというだけで、本から学び、実際の建築物を見て学び、コンペに参加して他の優秀な作品から学んでいったという。とにかく良いものをどんどん取り入れ、自分のものにしていく。そこから新しい発想を生み出すのだ。事務所には、世界のすぐれた建築物のミニチュアがいくつも置いてあり、それを眺めながら、いつかはその建築物を超えるものを設計するのだというビジョンを語っていた。安藤ほどの巨匠にしても、世界の優秀な建築物をミニチュアで真似ている。どんなことも真似るのが基本なのだ。


〈名言208〉



# by siva1199 | 2012-03-17 11:25 | 名言365

刺激をつねに探し続ける生き方

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  大切なことは、熱狂的状況をつくり出すことだ。

  パブロ・ピカソ
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 これはある一定以上の年齢の人にはわかってもらえると思うが、40代に入る頃になると、人生で危険な下り坂というのがやってくる。30代までは性的にも精力が落ちるという感覚はほとんどないが、しかし30代も後半に入り、40代に突入すると、どうやら人生は下っていく、精力も落ちてくるのだと実感する。ところが、ピカソは92歳の晩年まで、その精力が枯れずに湧き続け、衰えることがなかったという。実はピカソは、その精力を枯らさない工夫を一貫して意識的に行っていた。ピカソが意識した工夫のひとつが恋愛だ。彼にとって恋愛はそれ自体が目的ではなく、おのれの想像力への欠く事のできない刺激物だった。恋愛はつねにその表現と直接、間接に深く結びついていたのだ。生涯に創作した作品数は6万とも8万とも言われており、平均すると1日2〜3点の創作ペースということになる。刺激を与えてくれるものをつねに探し続けるという生き方は見習うべきだ。


〈名言207〉

参考/『天才の読み方 究極の現記術』齋藤孝(大和書房)

# by siva1199 | 2012-03-17 10:27 | 名言365